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**彩とりどり** 【進撃の巨人・短編】

第2章  リヴァイ 狂犬



パシュ と装置の音がした アンナの手元は見ていた…アンナはスイッチに触れてはいない


アンナの視線が右に揺れ わずかに口角が上がった


後ろか!


振り返ってもそこには誰もいない

しまった…

リヴァイがアンナから視線を外した瞬間にアンナはアンカーを壁に打ち リヴァイに体当たりして壁内へとそのまま2人とも落ちていく

アンナがリヴァイの体に回した腕が邪魔でスイッチの操作が出来ない


クソが!



「ミケーーー!!」



アンナはワイヤーを巻き取り落下の勢いを少しだけ殺してリヴァイから手を離した後 壁に足を付けて体を安定させたアンナは笑顔で落下していくリヴァイを見ていた

その笑顔を見ながらリヴァイは仰向けに落下していく…



ガシッ とリヴァイを受け止めたのはアンナが名前を呼んだミケだった


「ふぅ……あの馬鹿が 無茶苦茶だな」


ミケがリヴァイを受け止めたのを確認したアンナはふわりとミケの隣に立ち リヴァイの立体起動装置に刺したナイフを抜いた


「私はアンタを殺せる…視野を広くしなさい そしてよく考える事その選択は正しいのか」


アンナは壁を蹴りアンカーを抜くと落下しながら1回転してふわりふわりと降りていった


「お前アンナに何を言ったんだ?」


「俺を殺せるのか聞いた」


「……あの外見に騙されたなあの女の中身は狂犬だぞ」




今日のミケは壁の上の退屈な見回りの仕事があった 意外と几帳面だから時間と見回りのコースは決まっている
アンナはそれを知っていてリヴァイを試した

エルヴィンを見るリヴァイの目に違和感を感じた 地下街で脅すように調査兵団に入団させたとはいえ あの目付きは異常だ



「エルヴィンに何をするつもりなの?」


リヴァイの目は暗い闇が宿り殺気を放つ…答えは言わずとも分かった


エルヴィンの邪魔はさせない


だけどもしエルヴィンの強い気持ちにリヴァイが触れて変わる事があるのなら…

エルヴィンは今よりもっと先に行けるのかもしれない


だから試した 突き落とした先にミケが居るのか居ないのか 居なければ本当に殺すし 居てもミケが受け止められなければそのまま助けるつもりもなかった

実際アンナはリヴァイを突き落とす為に体当たりした時に彼のワイヤーの巻き上げ装置にナイフを刺して壊していた

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