第13章 エルヴィン 密かな遊戯
へぇ――エルヴィンが……なかなか熱烈だね……
ハンジが目を向けた先は身を乗り出してリヴァイにフラワーボックスを見せてニコニコと笑うアンナと 眉間にシワを寄せたリヴァイがいた
「ねぇねぇ リヴァイにこの可愛さ分かる?」
「お前…意味わかってねぇだろ?」
「分かってるよ感謝の気持ちでしょ!」
意味を知ってるリヴァイの反応は 知らないアンナには不満だったらしく
「ありがとうって言われるのも嬉しいけど プレゼントをもらうともっと嬉しいんだからね!また仕事頑張ろうって思うじゃん!リヴァイは女の子の気持ち分かってない!」
リヴァイにプリプリと検討違いの文句を言っていた
そんなアンナ達が座るテーブルの横をアンナの同僚が通りかかり アンナの手の中にあるフラワーボックスを見た
「アンナ恋人がいたの?」
「いないよ?」
「そのバラの花…男性からもらった?」
アンナはブリジットの顔を見てうなずいた
「じゃあ――告白されたのね」
「ブリジットこれは感謝の気持ちだよ」
「違うわよ 感謝なら8本だもの」
「えっ…何それ?」
「もしかしてアンナ知らないの?
これをアンナにプレゼントした男性が気の毒だわ―…あのねバラの花には色によって花言葉も違うし本数にも意味があるのよ!
ちなみに赤いバラの花言葉は告白とか愛情でしょ 本数はね―…
1本なら ひとめぼれ
2本なら この世界にはあなと私の2人だけ
3本は…愛しています だよ だからアンナは愛の告白されたんだよ!」
「あ―……愛――告白―…?」
ポン とアンナの顔が赤くなった ドクドクと心臓が暴れて体温が上がり 体が一気に熱くなり頭はのぼせて呼吸も浅くなる
「アンナ深呼吸しよう!深呼吸!」
慌ててハンジはアンナの肩を抱き一緒に深く息を吸って吐いてをしている
何度も深呼吸してもアンナの心拍数は変わることはなくて 目を回してテーブルに突っ伏してしまった
「アンナはしっかりしてるのに恋愛スキルは皆無だもんね……」
ブリジットはアンナの頭をヨシヨシと撫で
「素敵な告白してくれたんだから ちゃんと返事をしないとダメだよ」
優しく言って食堂から出ていった