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**彩とりどり** 【進撃の巨人・短編】

第13章 エルヴィン 密かな遊戯



支部から帰ったエルヴィンがそのまま私室に帰る――とは思わなかったアンナは 終業前に団長室の整理をしていた


きっと帰ってからも団長は仕事をするだろう…



机の上に急ぎの書類と期限のある書類――緊急性の低い書類を分けて重ねその書類の上にメモを置いた


水差しの水も入れ替えて 紅茶を飲みたくなったら…とキッチンには紅茶のセットを置いて上からフキンをかける


アンナは日が暮れて薄暗くなった団長室を見回す



「よし…」

これで帰ってきても すぐに仕事が出来るよね――


アンナが部屋を出たら エルヴィンが廊下を歩いてきた



「あっ――…団長 お帰りなさい」



少し驚いた顔した後にアンナは微笑んだ




「きっと団長は帰ってからも仕事をすると思いましたから 最後に書類を仕分けてました メモにも書いてますが――…」


「アンナ――…」


エルヴィンがふわりと笑う



「明日にと思っていたが生物(なまもの)だからな――今日渡せてよかった お土産だ」




エルヴィンから小さな箱を渡された



「お土産―…?」

「あぁ…いつも頑張ってくれているからな アンナへの気持ちだよ」

「ありがとうございます」



アンナはハガキサイズの小さな箱を受け取った










゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜



食堂に行くと ハンジとリヴァイがいて ハンジがアンナに気が付いて手を上げた


「おーい アンナ!ここに座りなよ」


トレーを持ちアンナはハンジの隣に座った


夕食を3人で食べるのは久しぶりでアンナとハンジは喋りながら食べている



よく喋りながらも器用に食べる事が出来るもんだな―…

リヴァイは前に座る2人に感心しながら会話を聞いていた


アンナのトレーの上に箱があるのには気づいていた


ハガキサイズで高さが5cmほどある薄いピンク色の箱だった


「さっきから気になっていたんだけど―…その箱はなぁに?」

「あっ!これね さっき団長にいただいたの すごく可愛いんだよ」


アンナが箱の蓋を開けると 中には赤いバラの花が3輪と隙間にユーカリとかすみ草で飾られた 生花のフラワーボックスだった


「いつも頑張ってる私への気持ちだって――
仕事だけどさ好きだから頑張るよね―…お礼なんていらないに……」





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