第8章 ようこそ 料理団御一行様
会議室に3人を案内して 私は対面する形で座った
エルヴィンさんとリヴァイさんはさっきからひそひそと話ては 優しい目で私を見ている
見目麗しい金髪碧眼のイケメンと黒髪に灰色の瞳のキリッとしたイケメンの2人に 田舎の役場職員の女性達はそわそわとしていた
お茶出しジャンケンが行われて勝利した英里ちゃんが少し緊張して 3人にコーヒーを出した
「あっ!田沼さん リヴァイさんはコーヒーは苦手だから紅茶にして下さい」
『ミカサさんとエルヴィンさんも紅茶がいいですか?』
フランス語で確認するとエルヴィンさんは『紅茶はリヴァイだけでいい』と答えた
3人は顔を見合せリヴァイさんは笑いエルヴィンさんがニコニコと私を見るから私はホッとして泣きそうになる
ダメダメ私の本番はこれからだからね!
自分に気合いを入れて レストランとオーベルジュ 2つの計画のプレゼンをフランス語で行った
昼も過ぎた頃にプレゼンが終わる
『貴女のフランス語は綺麗だ』
近づいてきたエルヴィンさんが褒めてくれた リヴァイさんは『口説くな!』と言って私の肩に乗せたエルヴィンさんの手を払う 何故か私は胸がギュッとなり泣きそうになるのをこらえた
ランチに地元の野菜を食べてもらおうと 少し車で走った所にある農家レストランに行った
ゆっくりと味わってもらう為に特別に貸切りにしてもらい 大きな窓から見える山の景色を見ながら食事をする
近くにあるビール工場や酒造にも協力してもらい 様々なアルコールも試飲してもらった
『こんなにアルコールがあるならミケさんも呼べばよかったですね』
『そうだな…試飲じゃ終わらねぇだろうがな』
『ミケも逢いたがっていたんだ 呼べば来るんじゃないか?』
エルヴィンさんは私に
『まだ時間は大丈夫か』と聞いてくる
『はい 2時間は貸切りですから』と答えるとスマホで誰かを呼び出していた
「ソムリエのミケ・サガリアスを呼んだみたいですよ もしかすると酒好きのハンジさんも来るかもしれませんが 大丈夫ですか?」
「大丈夫です 有名なシェフに味わってもらえる機会なんてなかなかないですから みんな協力してくれてますし 楽しみにしてたんです」
しかも男性2人はイケメンだから農家レストランのおば様達も なんだか楽しそうに接客をしていた