• テキストサイズ

**彩とりどり** 【進撃の巨人・短編】

第8章  ようこそ 料理団御一行様




周囲を山に囲まれた田舎で私は育った 地元を離れ都会の大学に進学したけど 私には都会のペースは忙しくて地元の公務員になり今は観光課で働いている



「杏南ちゃん!確か英語とフランス話できたよね?」

大学の専攻はフランス語 それにイギリスに留学もしてたから英語も話せる 忘れないように海外ドラマは英語バージョンで見てるし フランス語は原文の本を読んでるから多分大丈夫

「はい」

「半年も先の話になるんだけどね フランスの有名なシェフが日本に店を出す計画があるらしくて下見に来日するんだよ そして候補地にここの名前が上がってるって連絡があってね
だから杏南ちゃん 案内とかお願いできるかな?」

「すごい話ですね!頑張ります!」


地元の野菜は美味しいし山だらけだからジビエの食材も手に入りやすいし
それに温泉地だからレストランもいいけどオーベルジュの提案も考えてみよう!



それから私はプレゼンの為に通常業務と平行して色々と動き資料を作ったりとあっという間に半年が過ぎた




















「想像以上に山奥で驚いたでしょう?でも空気も綺麗だし水も美味しいですよ」


課長の声が聞こえてきた 日本語の会話がするから通訳が一緒なのかもしれない 私は少しホッとした


「杏南ちゃん!」


テンパリ気味の課長がいつもの「杏南ちゃん」呼びをする

そこは「小林くん」でしょうが!

心の中で食い気味にツッコミをいれた


「初めまして 案内を担当致します 小林杏南と申します」

「………初めまして ミカサ・アッカーマンです」

わずかな沈黙の後に自己紹介が始まった

ミカサさんはお祖母さんが日本人で日本語が話せるそうだ

「こちらがオーナーシェフのエルヴィン・スミス

隣がプロンジュール(食器の管理と厨房の清潔担当)のリヴァイ・アッカーマン

私はブーシェ(肉切り担当)です

実は今回…内容によってはフランスの店を閉めて日本に拠点を移す予定でして 店を休んで全員で来日してるんです」

「えっ!それは…かなり決断のいるプロジェクトですね…」

「えぇ…うちの団長は博打好きですからね 皆で振り回されてます」

ニッコリ笑い ちょっと毒を吐くミカサさんに私は苦笑いするしかない

日本語だからオーナーには通じてないみたいだった



/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp