第19章 オビトを釣ったつもりが…
私達が一歩下がれば、イタチ達も一歩踏み込んでくる。
「つくづく…、あなたは無謀な人ですねぇ。あのまま大人しくしていれば、もう少し生きられたでしょうに。」
「ご心配、ありがとうございます。でも、手こずる可能性だってありますよ?」
「やれやれ、人の忠告も聞かないとは…。口は災いの元。これも口酸っぱく言ってきたのですがねぇ。」
えぇ、分かっておりますとも。
これが鬼鮫さんを煽るだけだということも。
分かっていても言い返さずにいられないのですよ。
今、反射的に答えてるだけだから。
…パニクってるのかも。
「お前は俺から逃げられない。」
イタチの冷たい声にそちらを見ると、底冷えする冷たい瞳とかち合った。
「逃さない。」
「……っ…!」
感情の読めない瞳。
突き刺さる殺意。
今まで、見たことなかった。
こんなに冷たいものをサスケも向けられてたのかな…。
…ダメよ。
呑まれちゃダメ。
しっかりするのよ、エニシ。
「…逃げるよ。…逃げ切る。」
みっともなく声が震える。
「…殺されないよ。」
私は殺されない。
殺されるわけにはいかないの。
兄ちゃん。
どうか、私を…私達を守って…。
そう祈った時、イタチが動き、戦闘が始まった。