第18章 白虎のお里に行ってみよう
「あの日の夜…。」
ぎこちなく笑顔を見せながら、エニシは口を開く。
「あの日は…、いきなり現れた人に家から連れ出されて、夜道をひたすら逃げ惑いました。」
酷だと分かっていても、聞いておきたかった。
エニシが絆だと言う約束を。その真意を…。
「暗部も追ってきてて、記憶がなかった時期だから、何が何だか分からなくて…。逃げてる内に、その人が兄ちゃんだって、気づいたんです。」
震える声で紡がれる言葉に、苦しく思いながらも彼は黙したまま耳を傾ける。
「イタチとサスケを止めてやれ、って…。お前にしか出来ないって…言われました。」
語るエニシの目に涙が溜まっていく。
「てっきり、私は本人だとばっかり思ってたんですけどね。すっかり騙されました。」
気丈にも前を向いて笑顔を作る彼女に、カカシは小さく拳を握る。
「いつでも傍にいる、一緒にいると…。生きていってくれ、って言われて。それを最期に影分身は消えてしまいました。だから、私は’’兄ちゃんと一緒に’’、イタチを止めるんです。」
涙をぽろぽろと零しながら懸命に笑うエニシは、儚くて、痛くて…、カカシ自身が持つ傷にも響いた。