第12章 懐かしい顔と新しい顔
「あれ〜?今から任務?」
とある日の夕方近くの時分。
額当てをし、暁ローブを着たイタチが出てきた。
今日そんなこと言ってなかったよね?
「あぁ、急に行くことになった。今回は少し長くなりそうだ。」
「ふ〜ん、そっか。あ、薬作ったから持ってって。」
昨日作っといて良かったわ。
ばたばたと部屋に戻って、薬の入った巻物を持ってくると、「はい」とイタチに手渡した。
「いつも通りか?」
「うん、一日三回。飲み忘れても一日二回はちゃんと飲んで。」
「分かった。」
「…お前、どこか悪かったのか?」
見ていたサソリさんは頬杖を付きながら聞いてきた。
私はそれににっこり笑って返す。
「ちょっと胃腸が弱いんで、その補強みたいなもんです。」
嘘ではないよ。
頑張って治したから、普通と変わらないまでに水準を押し上げたんだもん。
だから、ちょっと胃が荒れるのとさして変わらない。
「…ふん。まぁ、どうでもいい。」
そう言って、サソリさんはすっと視線を逸らす。
「支度は出来ましたか?」
鬼鮫さんが迎えに来た。
彼もまた暁のローブをしっかり着込んでいる。
「あぁ、出るぞ。」
「えぇ。」
イタチが言いながら玄関に向かうと、鬼鮫さんが応える。
「いってらっしゃ~い。」
ふりふりと手を振り笑顔で送り出すと、イタチは少し振り返って笑い、二人が出て行った玄関ドアがパタリと閉まる。
今日も怪我しませんように…。