第12章 懐かしい顔と新しい顔
「ただいま〜…。」
「長かったなぁ、うん。」
「あぁうん…。巻物の術式教えてもらってたから。」
嘘ではないけど本当でもない。
衝撃が大きすぎるし、こんなの知られたくもない。
多重人格か…。
今は意図せず記憶失うことはないけど、これからそういうことも起こるのかな…。
いや、そもそも多重人格”かもしれない”って仮定の話だよね?
だったら、一度綱手様に相談した方がいい…
「なぁなぁ。オイラにも部屋作ってくれよ。」
「うん…。うん?」
半分上の空で頷いたけど、もう一回今聞こえた事を咀嚼し直す。
“オイラにも部屋を作ってくれ”…?
「…二人して本格的にここに住むつもり?」
「当たり前だろ、うん。」
何で当たり前なんだろう…うん…。
「暁ってそんなにツーマンセルの規定が厳しいの?」
そんなべったり張り付いてなきゃダメなのかしら?
「別に?ここに住むのはオイラの勝手だけど?」
「ええぇ〜…。」
こんな辺鄙な所に…?
「旦那がいいなら、オイラだっていいだろ?」
「そこまで…?まぁ、いいけどさ…。」
てなわけで、サソリさん家側にもう一つ、かまくらが建ちましたとさ。
…変わった人達だわ。