第12章 懐かしい顔と新しい顔
「ここが…こうで…ここに…。サソリさん、これどういう意味ですか?」
「これは…」
こんな感じで、ちょいちょいサソリさんに聞きつつ写していく。
「出来た!合ってますか?」
最終チェックはお任せだ。
「…いいぞ。」
そう言って目を離すと、巻物が返された。
「ありがとうございました!」
よっしゃ。
これでじゃんじゃん、作り置きできるぞ!
「おい。」
「え、あ、はい。」
なに?なんだ?
「お前、どうして死にたいんだ?」
「いやいやいや、別に死にたいわけじゃないです。」
誤解の招く様なこと言わないでくださる?
「死にたくないのに死に急ぐような真似、普通しねぇだろうが。」
「そりゃまぁ…そうかもしれないですけど…。」
でも、本当に死にたい訳じゃないんだけどな。
「なら…あの時何を思ってた?」
「あの時って…一昨日の?」
「他に何がある。」
何を思ってたんだっけか…。
えーっと…確か…。
「…兄のことを思ってたような?」
ちらっと見てみたら睨まれた。
「出し惜しみしてんじゃねぇよ。俺は待つのが嫌いなんだよ。」
うわ〜、びっくりするくらい短気。
「うーん…。無我夢中だったからあまり覚えてないってのが正直なところなんですが…。うーん…。どうせ死ぬ事になるのならそれもいいかもしれない、と。兄と同じ場所に行けるのなら、それはそれでいいんじゃないかな、と…。そう思ってたと思います。」
感覚的に、そう思ったような記憶が残ってるって感じっていうの?そんな風に思ったような気がするな〜的な。
…改めて考えると、確かにちょっとヤベぇ奴だな、私…。
「体が異様に軽かったってのは覚えてますけど。」
めちゃくちゃ思い通りに動いたって記憶の方が鮮烈にある。
「どうでもいい。」
あー…また不機嫌になっちゃった感じ?
「うーん…。信じてもらえないかもしれないんですけど、あーいう場面で切り替わらなかった事って今までなかったんですよね。」
「なら、その時のでいいから詳しく話せ。」
その時のか…確か…。