第12章 懐かしい顔と新しい顔
入り口入ってすぐで止まると、注文が始まる。
「ここにこれくらいの棚を造れ。」
「はい。」
それからも、ここには台を、ここにも棚を、ここに小さな窓を、とあれこれと注文が入る。
「取り敢えずはこれでいい。もう帰れ。」
「は〜い…。」
人使いの荒いこと荒いこと。
さて、帰ろうかなって思ったところで、サソリさんが幾つか巻物を手にしてるのが視界に映って足を止めた。
サソリさんって、食品関係の保存どうしてるんだろう?
「サソリさん、食べ物や薬を巻物で保存してて困ったことありません?」
「あ?」
「巻物で食べ物保存してたら腐っちゃったとか、薬草が枯れちゃったとか。ないですか?」
「ねえよ。それ術式が悪いんじゃねぇか?」
え、無いの?
それ知りたい!
「サソリさんが使ってる術式、教えてもらえませんか?」
ご褒美、お願いしやす!
私を見たサソリさんは嫌そうな顔でフリーズする。
で、これまた嫌そうに長いため息をついた。
「ほら。」
「わっ。」
投げて寄越されたのは巻物だ。
「写すんならここでやれ。」
いやったぁ!!
これで研究しなくて済むぞ!
「筆箱持ってきます。」
私は急いで自分の部屋へと駆け出した。