第12章 懐かしい顔と新しい顔
私がお口チャックをして見せたら、ちっ、と舌打ちした後、じっと見られた。
「お前、俺を覚えてるか?」
「…はい?」
え、何でナンパの常套句が出てくるの?
「んじゃ、オイラの事は覚えてるか?」
隣からも同じことを聞かれる。
「…二人して何で口説いてるの?」
「「違うわ、ボケが。」」
さすがコンビだねぇ。
息ぴったり。
「くくくっ!やっぱり常識外れですねぇ。」
「いやいやいや、初対面の異性に『俺の事覚えてる?』はナンパの常套句なんですって!」
私が間違ってるんじゃないから!
「その知識をこの二人に当てはめる方が可笑しいんですよ。」
「んだったら、何でそんなこと聞くんですか。はじめましてでそれは変ですよ。」
「…成る程な。全く記憶にねぇのか。」
「まるで別人だもんなぁ。」
「…何の話?」
どういうこと?
二人は私を知ってるの?
「…リニやルキを覚えてるか?」
イタチから聞かれて頷く。
「秘術を持ってた一族の人だよね。」
「あぁ、その時ですか。あなた、攫われてましたよね?」
「あー、そんなことありましたね。」
そんで、奥の手出して記憶が飛んで…。
「まさか、そん時に!?」
あちゃー…。
「あ、もしかして。その時、イタチが助けてくれた感じ?」
「…まぁな。」
渋い顔をしたイタチの答えで、漸くあの時のことが合点がいった。
この二人を相手取れば、そりゃあチャクラ切れも起こすよねぇ。
「…お前、夢遊病か?」
「いや、違うけれども。」
デイダラ君よ、可哀想な目で見ないでくれる?
「んじゃ、あん時のあれは何だったんだよ。」
デイダラの問いに私は黙るしかない。