第12章 懐かしい顔と新しい顔
「おい…。なにオイラの鳥で寛いでんだ、テメェ…!」
「あ、出来たら回転技やってほしいな〜。」
「…はあ!?」
何気なく言っただけだったんだけど、目玉を剥いてびっくりされて、逆にびっくり。
「何言ってんだテメェ!」
「あれ?…そうか。ま、出来ないならいいや。」
ジェットコースターと言ったら回転でしょ、って思ったから言ってみたんだけど、普通はやらないよね、確かに。
これが人間の限界だね。
科学にゃまだまだ勝てん。
「馬鹿にすんじゃねぇ!オイラは天才なんだ!出来ない事なんてねぇ!」
あらま、お怒りモードだわ。
「馬鹿にはしてないって。普通はやらないもんなんだなって思っただけ。無理するこたぁないよ。」
これで大怪我とかアホくさいし。
「この野郎…!あぁ、やってやるよ!!腰抜かして泣きつくんじゃねぇぞ!!」
言うが早いか動き出す。
随分とまぁ、負けず嫌いな人やね。
まぁ、チャレンジ精神は良し。
なので、デイダラを助けることにする。
彼の足元を土凌枷で覆うと、驚いた様にこちらを振り向いた。
「何しやがる!!」
「安全ベルトつけようと思って。」
「余計なお世話だ!」
「まぁまぁ、やっといて損はないからさ。これで回転技に集中できるよ。」
ぐっと親指を突き出すと凄い変な顔になった。
「…変顔になってるよ?」
「うるせぇよ!ほっとけ!!」
食い気味でキレられた。
で、ぐんぐんスピードが上がっていく。
おぉ、さすがにちょっと怖いかも。
「わお…。」
視界いっぱいに広がるのはきらきらと瞬く満点の星空。
浸る間もなく、大きく弧を描いてハイスピードで降下していく。
そして、地面すれすれで再び上昇。
「うひゃ〜!!」
さっきの高度より更に上がっていき、上がりきったところでぐるぐるとスクリューのように回転しながら緩やかに降下していく。
「あはははっ!いやっほぅ〜!」
「テメェ!頭イカれてんのか!?」
「失礼ね!マトモよ!」
叩きつけてくる風音のせいで、ついお互い大声になってしまう。
「オラオラ!もう一発いくぜ!!」
「いけいけ〜!」
こんな調子で、この後二、三回ほどアクロバット飛行を楽しみましたとさ。