第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「これか…。」
そこにあったのは、粉々にされた丸石、それを支えていた黒い紐にパラシュートだったであろう黒い布切れ。
石の欠片を幾つか拾い集めると、灰色の勾玉の模様があった。
おそらくは写輪眼を模したのだろう。
丸石はかなり小さく密で、その分強度も高い。普通は砕くことでさえも容易ではない。
それがこうも粉々になっている。
そして、石の近くには大きな足跡がある。
踏みつけられたのだ。
その少し離れた所にはもう一つの足跡。
先程のエニシの言葉を思い出す。
動きが速く、死角を上手く使う人物。
更には正確なクナイの腕前。
石をも粉砕できる怪力。
影は二つ…。
「嫌な予感がするな…。」
カカシは急いで駆け出した。
玄関から入り、中庭を過ぎて階段を駆け上がる。
二階の隅の奥まった書斎。
ばっと中を開けると、少し驚いた様な顔の面々に迎えられた。
「おかえりなさい…。どうしたんですか?そんなに慌てて。」
「何かあったんですか?」
エニシと長十郎の言葉に、少し冷静さが戻ってきた。
「いや、何でもない。」
―今はまだ、な。
カカシは大きく息をつくと、気持ちを切り替える。
二人組の正体は、おそらくイタチと鬼鮫だろう。
エニシは、一ヶ月程前からイタチと別行動しており、鬼鮫ともつい最近別行動になったと言っていた。
そして、この事件にはイタチが絡んでいる。
以前にもイタチは鬼鮫と共に行動していたことを考えれば、二人は2マンセルを組んでいるのだろう。
つまり、二人が現れたということは、狙いは妖刀でありシュカだ。
封印を解いても解かなくても、戦闘は避けられなくなる。
エニシとイタチだけは戦わせてはならない。
カカシはすっと隠れた左目に力を込めた。