第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「んじゃ、揃ったんで封印解いてみますか。」
ぽんぽん、とエニシの影分身が背中を優しく叩くと、シュカは頷いてから大きめの書斎机の前でしゃがみ、机の裏辺りを探り始めた。
少しして何かの鍵を取り出して本棚を少しずらすと、迷いなく鍵を差し込んだ。
すると、ガコンという音と共に、本棚の裏側の壁が動いた。
「すみません、本棚を動かすのを手伝ってもらえますか?」
シュカの頼みに、エニシとカカシが動く。
二人が本棚を移動させると、そこには下へと続く階段があった。
壁も階段も石造りで、人一人が通れるのがやっとの大きさ。
見るからに秘密の通路だ。
「隠し部屋があったのね。」
「…お前、楽しんでるね。」
興味津々といった雰囲気のエニシにカカシが突っ込む。
「いやだって、楽しくないですか?お宝にあるあるな隠し部屋。」
「…理屈は分かるけども。」
全くの他人事ならまだしも。まだ任務中であり、封印されている物がモノなので、楽しむ気にはならない。
彼女は大雑把にしか状況を把握していないからなのは分かってはいるが…。
「自重しましょうね、エニシさん。」
察しの良いユリが諌めてくれた。
ぽんと肩を叩かれた彼女は少し肩をすくめる。
「は〜い。」
まるで、見守る兄とお転婆な妹の図である。
実年齢は逆だが。
昔はよく見た構図だ。
誰とも仲が良く、妹的な存在に成り得るエニシ。
「くくっ。いっその事ユリがお目付役なら俺も安心できるのにな。」
カカシがくつくつと笑うと、ユリは眉尻を下げて苦笑した。
「生憎と、私には帰る場所がありますから。」
「分かってるさ。冗談だよ、冗談。」
カカシとユリを横目にエニシはムスッと顔を顰めていた。
「ったくも〜。子供扱いしてくれちゃってさ。」
「嫌なら包容力を身につけなきゃな。」
「余計なお世話ですー。」
「ほら。あなた達、行くわよ。」
話を切る様にメイから促されて三人は階段を降りて行った。