第10章 ルーツを探しに出かけましょ
中心部まで来たところでメイが手で合図を出し、三人はピタリと止まる。
そこは街では一番大きな屋敷だ。
明かりはあれど、門を含めた庭先には人影はない。
「ここって、アジト…ですよね。誰もいないんですか?」
エニシは見るからに呆れを含んだ怪訝な顔をしている。
カカシはふっと息をつく。
「そうみたいだな。」
「え…。こんだけの事しておいて見張りなし…?どんだけ余裕綽々なの…?」
「さあな…。」
普通は報復なり簒奪なりを警戒して、見張りを立てるのが常識だ。
それをしないのは圧倒的実力があるか、或いは何の考えもないかである。
「さて、こいつらはどっちだろうな。」
「強者か馬鹿かってことですか。早々に仕掛けます?」
丁度、夜の帳が一行を隠してくれる事だろう。
カカシはメイを見ると、メイも目で頷く。
「エニシ、護衛お願いね。」
「はいな〜。お任せあれ!」
エニシは二体の影分身を出して、シュカ達につかせる。
それを合図に、カカシ達は屋敷内に潜り込んでいった。
「これで全員…ですかね。」
「不安になるくらい呆気なかったわね。」
「…本当にこれだけの人員で街をあそこまで破壊できるものでしょうか?」
「…この実力じゃ、難しいだろうな。」
カカシ、メイ、長十郎はそれぞれ顔を見合わせながら心配そうに腕を組む。
制圧、と言う言葉が可愛く思えるくらい呆気なく捕獲してしまった。
逆に、罠にでもかかった気分だ。
「外の様子も気になりますし、一先ずエニシを呼んで来ます。」
「そうね。この人達を別部屋に監禁して彼等と顔を合わせない様にしましょう。」
「そうですね。」
長十郎は答えると犯人の数だけ影分身を出し、別部屋へと引っ立てて行った。