第10章 ルーツを探しに出かけましょ
話し合いで様々な可能性を考慮した結果、封印の状況は確かめた方が良い、という結論に至った一行は、街に戻ることになった。
ソウイチはカカシが、シュカはエニシが背負って走り出した。
一刻ほど駆けた一行は、夜の帳が下りた港に到着した。
「シュカちゃん、平気?」
おそらく忍のスピードは初体験であろうシュカに気を遣ったのだろう。
それでも、昔と比べればだいぶ速く、走りも安定していた。
「はい、大丈夫です。紐でしっかり固定されてるので怖くないです。」
「それは良かった。走るのあまり怖くないの?」
「はい、寧ろ楽しいくらいです。」
確かに楽しそうではある。
その証拠に、ソウイチ同様、目が輝いている。
「ま、お前も成長したんだねぇ。」
会話を聞いていたカカシが混じると、エニシはきょとんとする。
「ほら、前はこの位の距離でも息切れしてたでしょ?」
「何年前と比べてるんスか。」
「何年前だろうね。」
くくっとカカシが笑って見せると、エニシは怫然とした後、何かを思いついた様ににやりと笑う。
「先生も成長しましたよね〜。」
「何の話よ?」
カカシが首を捻ると、エニシは少し目を細めて笑みを深くする。
「昔はあんなに純粋だったのに、今はイチャパラ愛読者なんですから〜。オトナの階段登っちゃったんですねぇ。」
それを聞いて、思わず固まってしまった。
色々と語弊を招く言い様だ。
「イチャパラって…あの?…綱手が言ってた?」
「はい♪自来也様直筆で有名な本です!」
「ちょっとちょっと待ちなさいって…!」
汚れ物を見る様なメイの目とキラキラと笑うエニシの対比がえげつない。
堂々とイチャパラを見る事に後ろめたさはないが、久々に向けられるその女性の目はちくりと痛い。
「えっと…その…イチャイチャパラダイスって…刺激的な本、ですよね…。」
長十郎が頬を赤らめながら困り顔でフォローをすると、エニシはきょとんとしながら首を傾げた。
メイは、目を眇めて長十郎を見やる。