第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「…分かってるつもりです。」
「その上での俺の見解だが…。ま、あの二人はイタチが逃したんだろうな。おおっ広げには手を出せないが、あいつなりに出来る事をした結果ってところか。」
ぱちくりと大きい目を瞬かせながらぽかん、とこちらを見上げる様子は、揶揄いたくなる面白さだ。
「意外?」
カカシが少し笑いながら聞くと、エニシはこくりと頷いた。
「てっきり、問答無用で断罪されるもんだとばっかり…。」
その答えを聞いて、カカシは笑う。
「お前、俺を何だと思ってるのよ?仲間だって言ったでしょうよ。」
「いやそうだけど…。私にはそうでも…イタチにはそうじゃないんじゃないかって思って…。」
もごもごと言い訳をする様に口籠もるエニシに、苦笑しながらも頭をぽんぽんと撫でた。
「見捨てやしなーいよ。お前の仲間なら俺の仲間でもあるんだし。」
そう言うと、エニシの顔が分かりやすく緩んだ。
次いで、それを隠そうとするも隠しきれなくて失敗している。
昔のままの仕草に、カカシの心がほっこりと緩む。
「で?お前、イタチと一緒にいたんじゃないの?」
ついこの前まで、イタチと行動を共にしていたエニシがここにいるのが気になるところ。
何かあったのでは、と心配が過っていた。
問われたエニシは一度こちらを見上げると考える仕草をとってから口を開いた。
「先月から別行動してまして。イタチが今、何処で何してるか知らないんですよ。」
「追わなくていいのか?」
イタチのことだ。
この機会にエニシを引き離しにかかりそうだが。
「追おうと思えば追えるんですけどね。待つことは尊重することだって言われたっていうか、諭されたっていうか…。」
頬を指で軽く掻きながら言うエニシの目は複雑だった。
心配と寂しさと、ほんの少しの悔しさ。
尤もな核心を突かれた時の様な目だ。
イタチから言われたとは考えづらい。