第10章 ルーツを探しに出かけましょ
となると…。
「鬼鮫に、か?」
「まぁ、はい…。イタチは辛くても私が傍にいることを許してくれたんで、私も待つことで尊重した方がいいなって思って。」
「そうか。」
「はい。だから、裏技使わないで自力で探そうかと。鬼鮫さんは呼び出しで出てっちゃったんで、気長にイタチを探してる最中なんです。」
「…それ、結局待ってないじゃないのよ。」
カカシが呆れながらエニシを見やると、彼女は肩をすくめた。
「自力じゃどうせ追えっこないですよ。なので、これは自分の運試しみたいなもんなんです。」
「いや、そこはじっと待ってなさいよ。」
「いやいや、一人でじっと待ってるなんて性に合わないんですって。やきもきしながら待つくらいだったお迎えに行く方が精神衛生上良いのですよ。」
「まったく…。あー言えばこー言う性格は相変わらずだね。」
「てへへ☆なんせ口で先生に勝っちゃうイテっ!も〜、デコピンしないでくださいよ〜。」
「ごめん、手が滑った。」
「嘘ばっかり!」
「あ、もう一回手が滑りそうな…」
「ぎゃあ〜!手しまって!滑らなくていいから、しまって!」
懸命に両手で額を隠すエニシを見たカカシは少し吹き出した。
「変わらないな、お前は。」
昔に戻った様な気さえするほど、彼女との隔たりは無い。
「先生も全然変わってないですよね〜。まったく。…いや、でも少し色気が出たような…。」
ぶつくさと言いながら仏頂面だった顔が何故か解れていく。
なんなら心なしか目が輝き出した様な…。
「そのマスクの下も渋イケメンになってるんじゃないですか!?」
―…始まった。
今度はカカシが仏頂面になる番だった。
嫌そうな顔を隠しもしないまま、じとっとエニシを見下ろした。