第10章 ルーツを探しに出かけましょ
カカシと長十郎の先導で、シュカと思しき少女を見た浜辺までやって来た。
遠目で見分けが付かないかと三人の頭に過ったが、これ以上は警戒されるかもしれないと思えば近づけない。
少しの間目を凝らしつつ見ていたソウイチが、はっと目を瞠った。
次いで、少し目を潤ませる。
「シュカです。間違いありません。」
見守っていた三人は、ほっと安堵の息を吐いた。
「良かったわ。早速だけど彼女と接触してもらえないかしら?」
保護は早ければ早い方がいい。
何が起きるかわからないからだ。
緊張からか、メイの僅かな焦りを悟ったのか、ソウイチは大きく頷くと静かに意気込んで歩き出す。
歩みを進めていくうちに、彼の存在に気づく者が現れてシュカを気にし出したり何処かへ走り出したりする者が出てきた。
俄な騒めきにシュカも気づいた様で顔を上げると辺りを見回し始め、ソウイチに気づいたのだろう。動きが止まった。
彼女は動じるでもなく泰然と立ち上がると、ソウイチが近くまで来るのを待っているかの様にその場を動かずにいた。
『シュカ…。』
『ソウイチさん。』
話をする距離まで近づいていった二人は、互いの名を呼んだまま黙した。
二人の声が届いているのはカカシだけだろう。
二人は互いの近況を交互に話していく。
警戒心の強い子なのか、シュカの壁は中々頑丈だった。声音もどこか冷たく響く。
ソウイチからは戸惑いも感じられ始めた。
カカシの脳裏に幻術を解く前のソウイチの姿が思い起こされる。