第10章 ルーツを探しに出かけましょ
雷の国との国境付近の小さな村。
ここは細々と漁業を生業とする所だった。
そこに着いた二人は、まずは人々の様子を観察する。
すると、二人を見かけた村人達は一様に警戒を滲ませた。
「もしかすると、当たりでしょうか?」
「期待は出来るかもね。」
他では見られなかった反応だった。
排他的であるだけだとも考えられるが、探ってみる価値はある。
二人は頷き合うと、今度は村人達から隠れる様にして探り始めた。
一軒一軒を見て回り、人の集まる場所に行き、と繰り返していると、浜辺の人集りの中に特徴と一致する少女を見つけた。
黒髪に碧眼、口元に黒子がある。
長い髪と聞いていたが、どうやらばっさりと肩まで切り落とした様だ。
村人と同じ服装をし、埋没する様に生活している。
漁の手伝いだろうか。辿々しいながらも仕事をし、周りもその子をよく助けているように見える。
「…ここで声をかけるのは避けた方が良くありませんか?」
長十郎の言葉に、カカシは苦笑を浮かべる。
「そうだね…。下手すれば変に警戒されちゃうかもしれないしね。」
「一度報告した方が良さそうですね。」
「うん、ソウイチさんを呼ぼう。」
「分かりました。」
長十郎の影分身は、返事を返すとボンと消えた。