第10章 ルーツを探しに出かけましょ
中規模の港が整備された街。
それなりに大きめの船が四、五隻は並べられるくらいには整備されている。
今は雑然としているが、人の往来があり、活気に満ちた場所だったのだろう。
実際に、この地域は港で栄えた街だった。
一月前までは…。
「人がいなくなると、こうも寂れてしまうのですね…。」
長十郎の沈んだ声に、メイは目を伏せた。
「…ここはまだ被害が少ない方なんです。」
そう言って歩き出すソウイチに三人は続く。
彼が同行したのは、案内役を買って出てくれたからだ。
それに、シュカを見つけても信用を得られなければ素早く保護するのは難しくなる。
危険でも付いて来てもらえるならば、その方が手っ取り早い。
狭い道を幾つか通って港を抜けると、目を瞠る光景が広がっていた。
「…これは…、思っていたよりも酷いものでしたね…。」
メイは眉を顰めたまま、カカシの言葉に小さく頷いた。
木造の家も煉瓦造りの家も原型をとどめていなかった。
家が立ち並んでいただろう場所にあったのは瓦礫の山だけだ。
辛うじて残っていたとしても、大きく欠けていて中が見えたり、形を大きく崩したりと家としての機能は果たしていない。
「突然、爆発音が鳴り響いたので、何処もかしこも一斉に爆破されたのでしょう。街中が阿鼻叫喚の嵐でした。」
ソウイチは肩を震わせながらぎゅっと拳を握る。
成す術もなく蹂躙されるのは、嘸や悔しかろう。
カカシは、涙を溜めて街を見据えるソウイチの肩にそっと手を置いた。
メイはその様子を見つつ、心痛の心持ちで深く息をつく。
「…一刻も早くシュカを探しましょう。犯人を追っていたら、きっと手遅れになるわ。」
街の様子を見て、暴力的な怖さを感じたのだろう。
メイが言うと、二人も頷いた。