第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「その場合、矛盾がありますね…。犯人達は初動でソウイチさんを含め、三十人近くを捕らえています。なので、手を出しにくかったというよりは特定出来なかったと考えられるのではないでしょうか?」
「確かにそうねぇ…。」
「街ごと破壊し、住人を一気に集めた事自体が狙いを定めた結果だとしたらどうですか?」
「イタチにしては雑だなって印象だな。あいつには写輪眼があるんだから、破壊する必要がそもそもないんだよ。」
「…そう、ですね。確かにソウイチさんの時みたいに瞳術をかければ…。」
そこまで言って、はたと長十郎は動きを止めた。
「…そもそも、ソウイチさんは何故術にかかっていたのでしょうか?」
破壊しておいて、今更重要な鍵を握るであろう者達を外に出したのは何故か。
彼が引っ掛かったのはそこだった。
「罠…でしょうか?」
態と逃したとしか思えない、と長十郎は思う。
カカシはそれを聞いて、苦笑しながら頬を掻いた。
「罠というよりは第三者の関与がある、と考えた方が俺はしっくりくるかな。幻術のことに関しては説明のしょうがないが…。」
そう言いつつも、ソウイチの言う、助けてくれたアオイという人物が実はイタチなのではないか、とカカシは勘繰っている。
幻術をかけるタイミングとしてはそこが最適だ。
拷問している最中に、とも考えられるが、そうなるとそもそもの大前提から考え直す必要が出てくる。
「ま、矛盾が生じた今、事件を洗い直す必要はあるかもしれませんが…。」
カカシは言いながらメイを見る。
彼女は黙考しながらも、カカシを見てゆっくり頷いた。
「…この件、”自分の目で”確かめに行った方がいいのかもしれないわね。」