第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「何故、捕えられたの?心当たりは?」
メイは静かに問いかけた。
状況を見るに、犯人達は街を、人を含めて壊滅させている。にも関わらず、五人だけはどんな形であれ生かされた。
生かすだけの価値があるからだ。
ならば気になるのはその価値だ。
「…それ、は…。」
ソウイチはまた口を噤んでしまった。
彼はそれを知っているのだろう。
「…血の封印。」
メイの言葉に、ソウイチは目を瞠る。
「何故…。」
「水の国として統合される前、あなたの街は一つの国だった。その国には古くから伝わる血の封印がある。」
「…外の人が知るくらい有名だったんですね…。」
ソウイチが項垂れると、メイはゆっくり首を振る。
「調べたのよ。私達は忍だもの。」
「どうして…。」
彼らの街は何の変哲もない街だ。
名物があるわけでもなく、噂に上るほどの傑物も悪人もいるわけでもない。
ソウイチは疑問に思う。
どうして調べようと思ったのか、と。
「きっかけは、とある巻物だった。水の国の何処かに封じられた妖刀がある、と。特殊な封印だったことは分かっていたわ。だから、色々と調べて回って回ってたの。」
「何処で…何処で知ったんですか?」
ソウイチは肩を落としながらも尋ねる。
その表情は悲嘆に暮れていた。
今まで耐えていた時間が無為に思えたのかもしれない。
その存在そのものを秘匿しなければならないものだった。
だが、それは知る人ぞ知る情報となっていたのだ。
「…北地で。それ以上は言えないわ。そこで見た巻物に血の封印について書かれていたの。代々の継承者が守り人になっているそうね。」
「そこまでご存知ですか…。」
ソウイチは痛みを抑え込むように両の瞳を固く閉じた。
そして小さく息を吐くと、瞳を開き、こちらに向き直った。