第10章 ルーツを探しに出かけましょ
同じ棟の客室のような所にその人はいた。
名をソウイチと言う。
年齢は35〜40歳前後といったところだろう。
髪は短い青みがかった黒で、中肉中背のどこにでもいそうな極普通の人、といった印象だ。
「こんにちは。」
メイの先導で中に入ったカカシは、椅子に座っていたソウイチに話しかけた。
彼は、少しの警戒を見せながら会釈をする。
「初めまして。」
「初めまして、はたけカカシです。」
「ソウイチです。」
名を名乗ったにも関わらず、ソウイチは”話”を切り出さなかった。
「…俺に話があると聞いたのですが。」
「はい、はたけカカシさんに話したいことがあります。」
やはり、話す様子はない。
含みがあるわけでも、焦らしているわけでもなさそうである。
カカシは問答を諦めて、写輪眼を出した。
ソウイチは彼の眼を見ても反応を示さなかった。
―確かに様子が変だな。
カカシはソウイチの側に寄り、目線をしっかり合わせると手を握った。
そして、チャクラを少しずつ流しながら写輪眼で術の痕跡を探る。
幻術の痕跡を見つけてそれを解くと、少ししてソウイチに少しの変化が出た。
「大丈夫ですか?」
「俺は…。そうか…。そうだ…!俺達は地下に捕えられていて!シュカが!」
「落ち着いて、落ち着いて。大丈夫です、順を追って話してください。」
カカシは、焦り出したソウイチの手をしっかり握りると、ゆっくりと話しかける。
どうやら正気に戻ったようだ。
話振りからして、他にも捕えられている人がいるのだろう。