第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「木の葉から参りました。はたけカカシです。」
「待っていたわ。よく来てくれたわね。」
長十郎から案内を受けて照美メイの元へとやってきたカカシ。
火影からの密命を受けて水の国に来訪した。
だがそこは霧隠の里ではなく、里から離れた街中だった。
「聞いているとは思うけれど、あなたに話があるって言う人がいるの。」
「はい、火影様から聞いています。それで詳細は?」
カカシが聞き返すと、メイは一度言葉を詰まらせた。
「…それが”話がある”の一点張りで。どこにいたのか、どうやって生活していたのか、といった話は進んで話すのだけれど、肝心の”何があったか”を話さないのよ。背景は聞いたから大体の予想はつくのだけれど…。」
「僕が保護したのですが、その場所もその人の出身地の近くでして。丁度、調査に行く所に通りかかって行き倒れているところを見つけたのです。」
「とにかく、一度会ってくれないかしら?不自然なほど口を噤むから。」
その一言で、カカシにはピンとくるものがあった。
「何か術がかかっているかもしれない、と?」
「えぇ、私達はそう感じてるわ。」
術がかかっていて、霧隠れに解けないとなると…。
―写輪眼…。幻術か…?
浮かんだのはイタチだった。
だが、妙だとも思った。
「霧隠れでは解けないのですか?」
うちはに負けずとも劣らない、幻術に強い者が一人、二人いても不思議はないように思うのだが…。
カカシの何気ない問いにメイ達二人は気まずそうに顔を見合わせた。
そして、メイが意を決したようにカカシに向き直る。
「…里には話を通していないわ。この事を知るのも私達だけよ。」
「それはどういう…」
「聞かないでおいてちょうだい。今は色々と不安定なの。里に頼るよりは知古の縁を頼った方がマシだったってだけよ。」
柔らかく、だが有無を言わさぬ様子に、カカシはそれ以上問えなかった。
「こっちよ。彼がいる所に案内するわ。」
「…お願いします。」
三人は別室へと移動した。