第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「おや、帰るのですか?」
「じゃじゃ馬を手懐けるには時間がかかりそうだからな。」
「持久戦にはなるでしょうねぇ。」
「俺はそれほど暇じゃないんだ。」
「そうですか。」
それきり会話が途切れると、マダラは吸い込まれるように渦の中に消えていく。
それを見届けると、鬼鮫は力を抜くように小さく息を吐いた。
―やれやれ、これで一安心…
そう思った時、はたと気づく。
心配してやる義理のない小娘を、案外自分は気に入ってるのだな、と。
そう思ったら途端に笑いが込み上げてきた。
「くくく…。はははっ。」
馬鹿馬鹿しいとは思うが、悪い気はしない。
鬼鮫は、暫し楽しそうに笑っていた。