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もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ



―もう少しで…。

そう思った矢先、エニシの斜め後方の宙に見覚えのある渦巻きが現れた。
それと同時に、突然彼女の様子が一変した。
彼女の瞳が瞬時に万華鏡へと変わる。

「……っ!」

詰めた吐息と共に、渦巻きの仮面に向かってエニシのクナイが飛んでいく。
だが、それは頭をすり抜けて上方へと抜けていった。
それに驚くことなく、エニシのニ射目、三射目が飛んでいくも、やはりすり抜ける。
だが、それはロープ付き。
彼女はすり抜けた瞬間、火を噴いた。豪火球の術だ。
それは、ロープを伝うようにして真っ直ぐ向かっていく。と、同時にロープが彼を巻き取るように動くが、これも失敗に終わる。

その間、背後である鬼鮫の方は殆ど警戒してはいなかった。隙だらけだ。
そうは思うものの、攻撃を加えようとは思わなかった。
なるべくなら手をかけたくはない。だから傍観を選ぶ。
彼らしくないと言えばない、ほんの小さな変化だった。

「ふん…。いきなり連撃とはな。」

「だから?」

「話すら聞けないほど低脳なのか?」

「話をしたければ玄関から入ってくれば?」

鬼鮫は会話から仮面の男、マダラの不機嫌を悟る。
だが、負けず劣らずエニシからも怒りにも似た殺意を感じた。
何故という疑問と、もしかしたらという予測が入り混じる。

―恨み、か。

随分と理性的な恨みもあったものだ、と鬼鮫は薄く笑う。
何が何でも復讐してやろう、という激しい恨みは幾らでも見たことがあったが、エニシの憤怒は一風変わったものに映った。

「いいのか?俺に牙を向けばイタチが苦境に追いやられるかもしれないぞ?」

「あら、こんなことくらいで苦境に追い込むくらないなら私が攻撃してもしなくても同じ結果になるんじゃない?気に入らないから潰してやるってことでしょ?はっ!なんて器が小っさいのかしら!」

言いながら、エニシは宙に岩の槍を数本形成すると、一斉に投げつける。
それを腕の一振りでバラバラに崩すと破片がマダラの周りに散らばり、砂煙が舞う。

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