第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「ふん。威勢がいいのはいいが、相手の力量が測れないのは死に急ぐことになるぞ。」
オビトは言いながらもたついた二人を纏めて蹴り飛ばし、自身は空間に渦を作り出して吸い込まれる様に姿を消していく。
アオイは、その渦に飛び込ませる様に、何処からともなく姿を現したカラスを一羽放った。
―上手くいくといいが…。
カラスと視界を同化させると、殺風景な空間が見えた。
だが、それも数秒だった。
おそらくカラスが消されたのだろう。
「やはり、か…。」
またもや失敗に終わった追跡に、アオイは小さくため息をついた。
だが、数秒ではあれどオビトの向かう先の片鱗が掴めた。
収穫は少なかったが、それで良しとしよう、と心の中で言ちた。
―そろそろ幕引きにはいいか…。
アオイはイタチの隠し事を暴いていた。
彼は、この街を治めていた何人かを地下の座敷牢に詰めていたのだ。
それは、血の封印が施された隠し金庫を開ける為。
血の封印とは、封印者が印と共に少しの血を陣に流すことで開く仕組みだ。
生きた血でなければ解錠は成されない。
そして、誰の血を使うのかの情報を搾り取れずにいたのだ。
故に、生かしておく必要があった。
死なぬ程度には、だが…。
その日の未明、忽然とアオイの姿が消えた。
それと共に、座敷牢はもぬけの殻となっていた。