第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「…まさか本人が来ていたとはな。」
楽しそうなその声音に、アオイは眉を顰めた。
「…まさかお前が絡んでいたとはな。俺たちは”仲間”であると認識していたのだが。」
アオイの嫌味に、仮面の奥の眼が嗤う。
「仲間さ。暁という名のな。だが、暁には優秀さも必要だ。実力がなければ目的を達することは叶わない。弱き者は淘汰されてしまうのだからな。」
「だから俺を試した、とでも言うつもりか?」
アオイが怒りを滲ませて見せると、オビトは肩をすくめて少し笑う。
「まぁ、そんなとこさ。実際、お前はここを嗅ぎつけ、素早く潜り込んだ。その手際は見事だよ。」
「…その為には、俺に汚名を着せることは厭わない、と?随分と気に入らないやり方だな。」
「まぁ、そう言うなよ。既にお前の名はこれ以上ない汚名となっているんだ。今更一つや二つのことで汚れたって構わないだろ?」
それとも、今更ながら清廉潔白でも求めるつもりか?
そう問われた気がして、アオイは内心歯噛みした。
「…自分の預かり知らぬ所で騒ぎを起こされても迷惑だ。」
「潔癖か?」
「騒がしいことが煩わしいだけだ。お前は賑やかしいのがいいのか?」
「ふん…。まぁ、悪かったよ。だが、お前の力量が測れただけでも収穫はあった。」
そう言うと、オビトは背を向ける。
その瞬間、腕に覚えのある者が二人、クナイで切りかかった。
だが、二人の攻撃は文字通りすり抜けてしまう。
「「……!?」」
二人は驚愕に目を見開いた。
そして、既の所で交差しそうになったクナイを慌てて引っ込めた。
「「うわっ!」」
刃が当たるのは免れたが、体当たりまでは避けられず、二人の体は衝撃で左右に弾けた。