第10章 ルーツを探しに出かけましょ
いつもの広間へ足を運ぶと、二、三人が既に部屋に来ていた。
そのうちの一人がアオイに歩み寄る。
「アオイさん、おはようございます。」
「あぁ、おはよう。」
「イタチさんから指示はありました?」
「部屋に行く前にこっちに来たからな。まだ会っていない。」
「そうですか。なら今から行きますか?」
いつもならば、イタチの様子を伺ってからこちらに来る為、そう尋ねてきたのだろう。
それを聞いて、アオイは小さな綻びの元を作ってしまった、と小さな失敗を悟った。
「いや…、もう少し皆の様子を見てから行く。」
「そう、ですか…。分かりました。」
男はいつもと違う流れに少し首を傾げたが、さして疑問を持たずに納得してくれたらしい。
アオイは内心胸を撫で下ろす。
と、そこで何処からともなく視線を感じて、不自然にならない程度に視線を巡らすと視界の端にそれを捉えた。
やはり、オビトだった。
黒く長いうちはの着物に黒のズボン。顔にはいつもの渦を巻いた面を付けており、頭には包帯をしている。
それだけの特徴ある出立にも関わらず、誰も気にも留めないのは幻術による認識阻害を使っているからだろう。
―さて、どう出る?
このまま、姿を消すのか。
はたまた、影に隠れたまま追跡されるのか。
じっと様子を伺っていると、オビトは意外な行動に出た。
彼はアオイに向かって歩いてきたのだ。
オビトに気づいた数人が手を止めて彼を見ている。
―まさか、正面から来るとはな。
アオイは、苦々しい思いを飲み込む。
これではオビトを追うどころではない。
彼は、ゆっくりとそちらに向き直った。
アオイが対峙すると、オビトもまた警戒を滲ませながら立ち止まる。
二人の間は僅か二歩分。