第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「だとすれば、何で俺は野放しなんだ?自分の名を騙る奴を前にしても黙ってる様な奴なのか?」
「それは、まぁ…。」
口籠る暗部にイタチは得意げな声音で「ふん」と嗤う。
「俺の目に狂いはない。」
自信満々に言うイタチに二人は無言で返していた。
自信満々に宣う奴ほど穴に嵌まりやすい、とアオイは思う。
おそらくは、二人もそういった意図から無言を返したのだろう。
「まぁ、精々寝首を掻かれないことだな。」
「ふん、ほざけ。」
オビトの言葉にイタチは不満げに鼻を鳴らした。
「こいつじゃあないが、用心は過ぎるくらいがいい。聡い奴ならば尚更にな。それじゃあな。」
暗部はそう言って大きな窓から外へと出ていく。
オビトはどうするのかと構えていると、コツ、コツと足音が聞こえてきた。
「アオイか?」
「あぁ。どんな奴なのかと思ってな。」
それを聞いたアオイは瞬時にその場を離れた。
―まさか、自ら確認に来るとは…。
鉢合わせになるにしても別の場所に行かなければ。
盗み聞きをしていたとなれば、必要以上に警戒されるかもしれない。それは避けたいところ。
それに、変化など瞬時に看破されてしまうことを考えれば、出来るだけ鉢合わせはしないに限る。