第10章 ルーツを探しに出かけましょ
現状、街一つの壊滅をイタチが主導したと情報が流れている。
これからの選択肢としては、被害を防ぐ方に舵を切って綱手との早期接触を図るか、或いは木の葉への架け橋を捨てるか。
前者の場合は、オビトに逆に尻尾を掴まれる可能性がある。
イタチの行っていることは、暁の内情を探ること。そして、元凶であるオビトの所在を掴むこと。
それは看破されてはならない極秘任務のようなもの。
故に、影すら踏まれてはならないのだ。
後者の場合は、里への退路を断たれて完全に暁の中で四面楚歌となる。
この選択の場合、心配なのはサスケなのだが、時期的にみても大蛇丸の元へ下る未来が濃厚である。
それに、元より手を借りようとも借りられるとも考えてはいない。
であるならば、架け橋は捨て置けばいい。
それよりも、未だ行方の掴めないオビトの所在を探るチャンスにはなりそうだ。
そう判断したイタチは、アオイの姿のまま留まり耳を澄ませた。
「お前も早く戻ったらどうだ。主人が首を長くして待ってるんじゃないか?」
「言われずとも用が済めば帰るさ。それよりも普段姿を現さない奴が珍しいな。」
暗部が半ば嫌味混じりに返すと、オビトはため息をつくように鼻で嗤う。
「最近、新入りが入ったと聞いてな。」
「あぁ、アオイのことか。耳が早いな。」
「それはそうだろう。」
イタチが少し嬉しそうに答えると、オビトは呆れの混ざった声で返した。
その声は、知っていて当然だとも取れるが、場を支配しているのは自分だという傲慢さも混じっているようにも思える、そんな響きだった。
「それで、どんな奴なんだ?」
「中々に気を配れる奴さ。聡いと言ったらいいのか。一を言えば十を正確に読み取る察しのいい奴だ。」
「ほう…。本物のうちはイタチも聡い奴だがな。勘が良すぎるくらいだ。」
「案外と本人だったりしてな。」
冗談混じりに暗部が返すと、イタチはあり得ないと言った風に肩をすくめた。