第10章 ルーツを探しに出かけましょ
霧隠れの里から程良く離れていて、且つ陸地である火の国、雷の国からはそれなりに距離がある地。
潜入先はそんな場所だった。
そこには小さな町があった筈だが、既に人の影は皆無に等しい。
何があったか聞き出そうにも、これではどうにも出来ない。
イタチは手近な家へと足を踏み入れると、窓は粗方割られ、床には様々な家具が散乱していて散々な有様だ。
小さな子供のいた家庭だったのだろう。
家具に混じり、玩具も多数散乱している。
―老若男女問わず、か…。
思わず眉を顰めた。
自身がやったことではないとはいえ、名は使われている。
責任の一端は自分にある、と思うと罪悪感が湧き上がってくる。
「混同しない。」
イタチは自分に言い聞かせるように、小さく呟くと大きく息を吐き出した。
―分かっていたことだ。
ある程度、予想はしていた。
目的を見誤る程のことではない。
イタチは無の心でその場を後にした。
無作為に全体を見て回るが、廃屋ばかりで人の姿は見当たらなかった。
イタチはキリがないと判断し、物陰に潜むと変化の術で見目を変えた。
この姿ならば、イタチの姿は勿論、写輪眼をも隠すことができる。
彼は早速写輪眼で人影を探す。
建物から立ち昇るチャクラの影は、大きな建物から僅かに上がっている。
―あそこか。
イタチはそこを目指して歩き始めた。