第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「良かった間に合ったぁ。」
水の国に着いて、さぁ行くぞ、と意気込んだ矢先、まさかのエニシの登場にイタチは半分固まった。
「…お前、風邪はもういいのか?」
「うん、綺麗に治ったから大丈夫だよ。」
…確かに申告通り、特に不調が尾を引いている様子もない。
ないが、こんな時くらい不調であってほしかった、とイタチは内心ごちた。
―面倒なことになったな。
鬼鮫は面白そうにこちらを見るばかりで、介入する気はないらしい。
イタチはどう説得したものかと、内心頭を抱える。
「それよりさ、大分間空いちゃったからさ、先に治療しようよ。」
一、ニもなくそれか、と思わず突っ込みたくなった彼は、ふぅ、と大きく息をつく。
「悪いが行く所があるから、暫く留守にする。」
「え、何処へ?」
何処へと聞かれて答えられる忍が果たしてどれだけいるだろうか、とイタチは遠い目をした。
彼は一瞬迷いはしたものの、出せる情報まで出したところでバッサリ切り捨てようと腹を括る。