第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「…気になる情報を掴んだ。」
「ほう…。どんな?」
「俺の名を騙る者が出たらしい。調べる必要がある。」
端的に伝えると、口端を僅かに上げた鬼鮫は目を光らせる。
今度は疑わしいと隠すことなく、ありありと表情に出した。
「単独行動ですか。感心はしませんねぇ。」
「状況によってはお前にも入ってもらうが…、初手は俺が一人で動く。」
「ふむ…。ならばあなたの連絡を待つとしましょう。ただし、件の場所に近い場所で待機させてもらいますよ。」
「無論だ。」
そうは言ったが、イタチは一人で事を済ませる気でいる。
「では、その周辺で宿を取りましょうか。エニシさんはどうします?」
「まだ起き上がっては来れないだろう。仮にすぐに追って来るとしたら、時間は稼ぎたい。」
部外者である、ということもあるが、血生臭い事からは遠ざけたいという心情の方が強い。
鬼鮫は知ってか知らずか、意に介す事なく淡々と話を流した。
「そうなると、早々にここを立つ方がいいでしょうね。」
どんな絡繰かは知らないが、再会したあの日からエニシには正確に場所を突き止められてしまう。
目印でも付けられているのだとは思うのだが、いくら見回してもそれらしき印は見当たらない。
「あぁ、今日立つぞ。」
「分かりました。」
こうして、二人は斬不斬達に伝言を残して噂の元である水の国に向かった。