• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ





鬼鮫さんの好みが分からず、とりあえず、思いつくまま片っ端から歌っていった。
なるべく静かな曲をチョイス。
文句言われなかったから、多分合ってる筈。
けど、どうしたんだろ。
鬼鮫さんらしくないっていうかなんていうか。
気落ちしてる感じはないんだけど、喜んでる感じでもない。
不思議なしんみりさがあるっていうか。

ただ、「どうしたんですか?」って聞ける雰囲気ではないってことだけは確かだから、気が済むまで歌った方がいいんだろうなって気はする。

まぁ、鬼鮫さんだって人間だもん。
感傷に浸りたい、じゃないけど、そういう気分の時だってきっとあるよね。

けど…。
そろそろネタ切れっす。

そもそもがだいぶ前の記憶であるからして。
バラード系って、思いつくようで思いつかない。

ま、いっか。
次は自分の好みでいってみよう!


「――小さい花や大きな花ーー♪」

お、やってみると意外に手話の振り付けも覚えてる。

いつの間にか、鬼鮫さんは私の隣に座ってて、不思議そうに私の手元を見る。

「No.1にならなくてもいい、もともと特別なonly oneーー♪」

歌い切った〜!

「何の印ですか?」

歌が終わった瞬間に問われた。
印が存在する世界で、何の術も発動しないってのは不思議に映るかもね。

「手話っていうんですよ。耳の不自由な人が使う言葉の形です。」

そう言って、分かる所だけ解説していくと、半分呆れながらも納得してるみたいだった。

「随分と無駄なことを…。」

「無駄ではないですよ。世界中で使われたコミニュケーションツールなんですから。」

「ふーん…。では、他にはどんな手の形があるんです?」

「残念ながら覚えてるのはこれだけですね。元々耳はよく聞こえてたんで、必要なかったですから。」

「使えない人ですねぇ。」

「無茶言わんでくださいよ。だいたいが、もうかれこれ15年くらい前の記憶ですよ?」

しかも覚えようと思って覚えてないから、これで合ってるのかも実は微妙だったりする。

/ 869ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp