第2章 新しい生活
「今日はベッドを貸してやる」
リヴァイは2人掛けの椅子に横になる
「どう考えても私の方が小さいんだから私がそこで寝るよ」
お互い譲らなかったけど最後は「追い出すぞ…」の一言で私は負けた
私は寝室でリヴァイは隣のリビングで寝る ランプの火を消したリヴァイに
「おやすみなさい」と言うと「あぁ」と素っ気ない返事が聞こえた
寝室のベッドに仰向けになり目を閉じる
地下街の何処からかケンカをする声や酔っぱらいの笑い声が遠く聞こえてくる
言葉だけは理解できる異世界
昨日までの静かな村ではない 知らない街の音…しかも日本でも地球でもない 18歳の体も無くし 自分の知る文化もここでは異端だった
1人になった途端に不安定になる
隣のリビングとは壁はあるけど扉はなかった
心は18歳の私は15歳のリヴァイに対して少し大人ぶりたくて弱い所を見せたくなかった
泣き声を出せばリヴァイに聞こえてしまう 気付かれないように薄い布団にくるまりただポロポロと涙が落ちて枕を濡らしていた
ペタペタとスリッパの音が聞こえて 布団がもう1枚被せられ 枕代わりのクッションが置かれリヴァイがベッドに入ってきた
「椅子が固くて眠れねぇから 少し空けろ」
「えっ!ちょっと待って!恥ずかしいよ!」
恥ずかしくてリヴァイに背中を向けると後ろから包まれた
「えっ!リヴァイはお盛んな年頃なの?」
「…だからカナコは10歳位にしか見えねぇ って言ってんだろ!18歳のカナコの姿なら相手してもらうけどな 今のお前にはたたねぇよ」
「だ・か・ら !心は18なんです!」
「クククっ…元気でてきたじゃねぇか」
リヴァイの体温が伝わり私の体も温まってくる
「俺も1人ぼっちの寂しさは知ってる…」
そうかリヴァイも1人なんだ…
「ありがとう」
顔が見えないせいで 後ろから聞こえる声が優しく鼓膜を揺らす
リヴァイから伝わる体温と私の体温が同じくらいになる頃に私は意識を手放した