第15章 囚われていた鳥達
数日後――
エルヴィンは正式に調査兵団の団長に就任した
本部を失い 今まで蓄積された壁外や巨人の資料の大半を失った調査兵団は体制のたて直し 資金集め 備品などの確保など しなくてはいけない事が多く目まぐるしい日々が続いた
ウォール・マリアが巨人に侵略された約1年後に領土の奪還を目的とした総攻撃が中枢部の指示で行われたけどそれは失敗に終わり 王政はウォール・マリア を正式に放棄
その決定を下す為に25万人という犠牲者を出した
25万の人口が減っても 領土の1/3を失った影響で食糧難は続いていて ウォール・マリア内に住んでいた大半の人が開拓地へと駆り出され 壁内の人達はまだ不自由な生活をしていた
100年――
巨人への恐怖を忘れていた人類は 大きな壁に囚われていた事で平和な暮らしを維持できでいたという現実と 巨人に対して人類はあまりにも無力だという現実を改めて思い知らされた
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正式に放棄した事で調査兵団もこれからの事を計画する余裕ができて本部の体制の立て直しの会議が連日行われ それによってリヴァイは兵士長という立場になった 主な役目は団長の補佐…らしい
「 補佐なら副団長みたいな感じなの?」
「戦略とかを考えるのはここでは俺の仕事じゃねぇ 今の俺は戦闘員だからな―…言われた事を実行するだけだ それに副団長なんて柄じゃねぇよ」
作戦を実行する時は最前線で戦う事になると言われた
幹部待遇になったリヴァイは専用の執務室と私室が与えられて私も一緒の部屋になった
「その方がカナコも安心だろ」
私のトラウマによる徘徊などを見てきたエルヴィンの優しい配慮だった