第15章 囚われていた鳥達
温めたティーポットをテーブルに置く
私はシガンシナから避難した時からずっと肩にかけている帆布で作ったバックの中から 紅茶の葉が入っている缶を取り出した
茶葉をティーポットに入れて熱々のお湯を注ぎ葉が開くまで少し待つ
「これの為に引き留めたのか?」
ミケがちょっと眉をひそめた
「いいじゃないの ずっと水しか飲んでなかったんだから カナコの好意を受けとりなさいよ」
葉が開き紅茶の華やかな香りが広がる
「いい香りだね――」
ハンジはニコニコと笑ってくれた
「もっといいものがあるんだぁ-…」
「いいもの?」
ごそごそとバックの奥にあった 四角くい厚い紙袋に包まれたそれを取り出した
4人の視線が私に向けられるからニヤニヤしてしまう
「なんだと思う?」
私の脳内にドラムロールがなる
「なんと――角砂糖です!
アリソンから野戦糧食を乗せて避難しろって言われて食糧庫に行ったの その時にこれが目に入って―… 盗ってきちゃった
疲れた時には甘い物がいいんだよ だから贅沢して砂糖沢山いれた紅茶を飲んじゃお!
エルヴィン何個入れる?」
角砂糖の入った紙袋を持ってニコニコとエルヴィンを見ると エルヴィンの目が丸くなり私と目が合うと フッ と吹き出して笑いだし ミケも下を向いて肩を揺らした
「アハハッ!さすが地下街の窃盗団だ!私は3個入れてもらうよ」
ハンジはお腹を抱えて笑いながら言った
「なんで笑うの?絶対喜んでくれるって思ったのに!」
「ごめんごめん――すごく喜んでるよ でもさぁ…まだ正式に就任してはないけどエルヴィンは団長だよ その団長に兵団の備品を盗んだって言ってさ…それをすすめるって!
しかもあの騒動の最中に砂糖をポケットに入れたカナコの行動が可愛らしいっていうか……パニックになってたんだと思うと笑えるんだよ」
「…… なんで砂糖に目がいったんだろ?」
「食いしん坊だからな―…お―前…は…」
リヴァイも 最後の方は声が震えている
「まぁ―…正式に任命されてはいないからな 盗んだ事は聞かなかった事にしとくよ」
ひとしきり笑われた後 みんな3個ずつ角砂糖を入れた甘い紅茶をゆっくりと飲んだ