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【進撃の巨人】月と青い鳥

第15章 囚われていた鳥達



ほとんどの団員が入浴をすませ 食事を終わらせていた

シガンシナの兵舎より狭い浴場は私とハンジだけだった ハンジは眼鏡を外していたから周りがぼんやりとしか見えてなくて なれてない浴場の中を目を凝らしながら歩いていた

ハンジの手を取りシャワーの下に座らせハンジの頭をお湯で流す ハンジの髪の毛は泡もたたないほど汚れていて3回目でやっと泡が立った 土埃のせいでギシギシになった髪にリンスを丁寧に塗り込んだ後タオルを頭に巻いて2人で湯槽に浸かると ハンジが両手を上げて伸びをしてため息を吐いた



「さすがに今回は疲れたよ… だけどこれからがもっと大変なんだ…
カナコ――シャーディス団長は辞めたよそしてエルヴィンが団長だ」


「え?」


「壁が壊される前…帰還してすぐだよ

シャーディス団長は王都に行ってしまって――だからエルヴィンが指揮をとってね…本当に大変だったんだ」


「こんな時に……」


「壁が破壊された事を知らない訳はないのに 団長は戻って来なかった……」



ハンジは何処か遠くを見るような目で天井を見て息を吐いた その横顔が寂しそうだったから大きな声で言った


「ハンジ私達は生きてる元気だそう! そしてご飯たべよう!」
















食堂に行くとリヴァイとエルヴィンとミケが先に食べていて ハンジも用意された食事を受け取り同じテーブルに座る

干し肉と野菜が入ったスープとパンだけだったけど温かい食べ物は気持ちを落ち着かせてくれるはずだ




「ちょっとお湯もらってくるね」

「いや 俺はいらない―…」

「ダメ―…みんなで飲むの!ちょっと待っててね」






調理場に行くと憲兵団の調理担当の職員に紅茶を淹れたいと言うと職員は帰る所で 少し嫌な顔をされたけどティーセットを出してくれた


「アンタらで最後だろうから 私達は帰るよ 食器は流しに下げてちょうだいね」

さすがにクタクタに疲れた顔をしている私達に食器を洗え―…とまでは言わずに帰っていった

お湯を沸かし熱々のお湯を入れたポットとカップとスプーンをトレーに乗せていたらリヴァイが私の様子を見に調理場に来た


「ちょうどよかったお湯も沸いて ティーポットも温めたとこだったんだよ」



機嫌良く笑う私にリヴァイは黙ってカップを乗せたトレーを持ってくれた



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