第2章 新しい生活
ぐぅぅぅーー
紅茶を飲んだから胃が刺激されて 私のお腹が鳴った
ちょっとだけ間を置いて顔を上げると 片方の眉を上げてるリヴァイと目が合った あきれてるのかと思ったけど少し開いた唇が震えてるのが見える
「我慢するくらいなら笑ってくれた方がいいんですけど…」
口を尖らせて言うと リヴァイはこらえきれずに プッ と吹き出して笑った
彼の笑顔は15歳より幼く見えて私もつられて笑う
「すっげぇ音だったなぁー デカイ腹の虫がいんだな」
「恥ずかしいけど…自分でもビックリしたよ」
2人で笑い 紅茶を飲み終わるとリヴァイに付いて行き小さなキッチンに並んでスープを作った
リヴァイは手際よくスープを作りながら キッチンの棚にある調味料の説明をしてくれる
砂糖と塩は高級品だからと言われ
「塩も?海は無いの?」
「海?」
リヴァイの反応に壁内には無いのだと理解した 早く文字を覚えてこの世界を知らないといけない
野菜だけが入った味気ないスープと固いパンだけの夕食を食べた
後片付けも終わるとリヴァイはシャワーを浴びにいき 私は1人で折り紙の本に挟んでいたコピーを見ながら折り紙の講師から教えてもらったダイアモンドの復習をしていた
児童館に来ていた子供には正方形の折り紙で出来る簡単な方を教えていたけど
私にはちょっと難しい長方形の紙で作るダイアモンドを教室が終わった後に教えてくれた
折り方は単純なんだけどなかなか面倒くさい
「ここをしっかり折り込んで…」
円すい状のダイアモンドの折り紙が完成した
ランプの明かりにかざして見ていると
「うん…悪くねぇな」
いつの間にかシャワー室から出ていたリヴァイは私の背後から折り紙のダイアモンドを見た
「折り紙… 紙をこんな風に折った遊びって壁内にある?」
「あるにはある でもこんな立体的なのは初めて見た」
万華鏡の時と同じ反応に嬉しくなり折り紙の本をパラパラとめくってるとリヴァイは本を私から取りパタンと閉じる
「この本も憲兵に見つかるとヤバイ だから字を覚えてこっちの文字で写せ」
壁側に置いている小さなチェストをずらし その下の床の石をナイフで器用に剥がすと隠し扉ありその中に私の荷物を入れた