第2章 新しい生活
目が覚めたら いつものお婆ちゃんの家だったら…と淡い期待は無駄だった
一緒に寝ていたリヴァイはもう居なくてリビングに行くと
「シゴトニイク ダレカキテモアケルナ」
と書いたメモが昨日の残りのスープと固いパンが一個置かれたテーブルの上にあり その横に紙と鉛筆と教科書もあった
「私も買い物にいきたい!」
その願いをリヴァイが叶えてくれたのは壁内に来てから半年過ぎていた
読み書きも出来るし この世界の歴史やルールも覚えた
ある日リヴァイが破れた服の袖をガタガタな縫目で補修していたのを見て
「下手だなぁ 貸してよ」
手先は器用な私が綺麗に袖の破れを補修してあげると 数日後にひと抱えもある衣類をもって帰り私に補修をさせた
1枚1枚リヴァイはチェックしながら綺麗に畳んでいく
「悪くねぇ…これなら仕事になるな」
それから私はリヴァイがもって帰る衣類の補修の仕事でお金を稼げるようになっていた
お金は私の生活費としてリヴァイに渡す と言ったら
「仲介料引いてるから いらねぇ」
本当かは分からないけどそう言うから そのままもらって貯金箱にいれていた
「まだダメ?私も買い物にいってみたい!どんな物があるのか知りたい!」
リヴァイと私はあれからずっと一緒に寝ている 背中を向けて私の事を無視する背中を揺さぶる
「リヴァイ!」
「うるせぇなぁ…今日持って帰った仕事が終わったら連れていくよ」
「やった!ありがとう 頑張るね!」
嬉しくてリヴァイの背中にピッタリと抱きつき額をグリグリする
「なにが欲しいんだ?」
少し低い声が背中から伝わる
「1番は裁縫道具かな生地とか刺繍糸とか見たい 市場も行きたいし服とか靴も見たい!」
「買えねぇだろ」
「買えなくても見たいの!それが女の子なんだよ!分かってないなぁリヴァイ少年は…だからすぐ振られるんだよ」
リヴァイは目付きが悪くて無表情で愛想が無いのにモテる
地下街を15歳で生き抜くくらいだから普通の仕事をしてない事は直ぐに分かった
ケンカも強いみたいだし 一匹狼みたいな影のあるキャラって乙女ゲームでも人気あるもんなぁ…
世界は違うけど地下街の女の子にも需要はあるみたいでリヴァイはそれなりにモテていた