第5章 風が変わる
ファーランは本棚を整理してベッドを書斎にしていた部屋に運んだ ファーランが空けた部屋がイザベルの寝室になった
「すげー!俺の部屋だぁ」
イザベルが飛び跳ねて喜び 後日ベッドと寝具も届くと泣いて喜んでいた
「俺 立体起動ぜってー上手くなって兄貴達の役に立つように頑張るから!もちろんカナコの手伝いもするぜ!」
「料理だけは勘弁してくれ」
「料理以外の手伝いでね」
手伝いをしたい と言うから一緒に料理をしたけど…大変だった…
その料理を食べたリヴァイとファーランは口を揃えて言うし 私も苦笑いで言うと
「分かってるよ…掃除と洗濯を頑張るぜ…」
イザベルは少しふて腐れた
イザベルは少し時間がかかったけど立体起動を乗りこなして それからまた時間をかけてリヴァイとファーランと同じように飛ぶようになって宣言した通りに仕事を手伝っている
「カナコー!今日は俺 仕事ないから買い物いけるぜー!」
この辺りは元々ファーランの縄張りでもあったから 珍種の私をファーランの仲間が気にかけてくれる
以前のようにフードを深く被る事もなく赤毛のウィッグだけで市場にも行けているけど 私1人で出掛ける事はない
だからイザベルは仕事のない日は私を外へと誘ってくれる
雑貨屋によったり服を見たりして2人手を繋ぎ弾むように歩く リヴァイと一緒に行く買い物も楽しいけどイザベルとの買い物は女の子の楽しさがある
リヴァイは夫でファーランは兄でイザベルは妹… 私にとって初めて「家族」と呼べる関係になっていった