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【進撃の巨人】月と青い鳥

第3章 からだと心



。。。。。。。。。。


「カナコを守る為だけじゃない 俺の為にも約束は守ってくれと言ったはずだ

カナコは地下街の闇を知らない…俺やジルが見せないようにしてただろ 分かってると思っていた… このままだと一緒にいれなくなる」



俺達が守っている事はカナコは分かってる…彼女が言った通り少し気が緩んだのだろう


それにあの男は俺を数ヶ月探していたと言っていた あの路地を使わなくても無防備なカナコはすぐに見つかっていただろう
1番悪いのはあの日殺さなかった俺だ カナコじゃない それでも苛立ち彼女に冷たくあたってしまう


広場の2人を見て俺は嫉妬したんだ あの笑顔や笑い声 カナコの体は俺だけが触れていいものだ…そんな感情が腹から沸き上がった

あまりにも無防備に笑い顔を近づけたカナコに苛立った そして簡単にカナコに触れたあの男に嫉妬した
こんなに近くにいるのに今の関係を壊したくなくて触れられない…情けない話だ




泣かせたかった訳じゃない…

あの男の前では笑顔だったのに


ダメだ…感情をカナコにぶつけそうになる


少し落ちつく為にもう1杯紅茶を入れようと席を立ちカナコに背中を向けた




「行かないで…」



夜中に悪夢に脅えている時と同じ顔をしたカナコが俺を見ていた


「…もっと頑張っていい子でいるから……私を…置いて行かないで…」



「なにを言ってる?」



「私が言う事を聞かないから…みんな いなくなる お母さんもお父さんも…おばあちゃんも……リヴァイも……いなくなるの?」



カナコの目は俺を見ていない…目は合っているが見ているのは俺じゃない


両親から引き取られずに婆さんの所で暮らしたのが12歳だったな…俺と似たような境遇だ 俺の場合は父親は誰か分からなかったし母親は死んだ だから求めても親は居ないから1人で生きて行くしかなかった


カナコは違う…生きているのに自分を見てもらえない 孤独の質が違った


両親はカナコの目の前から去っていった 愛情を欲していた相手が背を向け去っていく姿をどんな気持ちで幼いカナコは見ていたんだ?



「もう…1人は…ヤダ……」


コップの中に溜めていた感情が溢れてこぼれるように涙を流しながら「ごめんなさい」と繰り返すカナコを抱きしめた



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