• テキストサイズ

【進撃の巨人】月と青い鳥

第3章 からだと心



。。。。。。。。。。




地下街では人の命は軽い 下らない理由で殴られたり 奪われたり 殺されたりする


今日の仕事も下らない理由だった




帰る途中にあの路地を使った カナコには使うなと言っていた路地だ


あの路地は市場で働く住人が多くて安全な方だったが 最近は階段の通行料が上がり仕事が減った 暇な奴らが昼間から酒を飲んだりしていた


今日も男2人が酒を飲み雇い主の愚痴をつまみにしている



「おっ 兄ちゃん」


俺を指差して汚く笑った たまに市場で見かける男達だ


「いつも隣に連れてる 兄ちゃんより背の高い女…ちらっとしか顔は見えなかったけどよ 意外と別嬪なんだな」


「あぁ…いい足をしてた すらっと長くてさ あの足になら絡まれたいねぇ」


「男とさっきまでイチャイチャしてたぜ」



「……女はどこに行った?」



「男に抱かれながら表通りに行っちまったなぁ… 」



顔を見られただと?足ってなんだ?馬鹿が何処に連れていかれた!




表通りが見渡せる高台に向かい見るとカーキ色のマントを着たカナコがベンチに男と座っているのが見えた


怯えていると思い急いで広場に向かうと じゃれあい笑い合ってキスするように顔を寄せる男女がいて 女はカナコで男はあの日殺さなかった銀髪の男だった





















**********



カナコを連れて家に戻りお湯を沸かす

帰り道でもカナコは何も喋らなかったが 俺が紅茶を入れてテーブルの向かいに座るまで ずっとうつ向いていた



「路地を使っていたのか?」


カナコは地下街の事については世間知らずを自覚してたはずだ


「ずっと使ってなかった…でも半年も経っていたし…私も地下街の事少しは分かってるって思ってた…あの路地は市場の人が多いから安全だって…荷物も重かったから今日だけ…近道したの……ごめんなさい……」




「その結果がこれだ 絡まれた2人にカナコは顔を見られてる…」


「えっ……隠して…」


うつ向いていたカナコが顔を上げた


「見られてる ちらっと顔が見えたと言われた」



「ごめんなさい…」


カナコの声は震えかすれている
泣くのを我慢していたみたいだが 流石に顔を見られたショックもあるのかポロポロと頬を濡らした


/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp