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【進撃の巨人】月と青い鳥

第3章 からだと心



「リヴァイは迎えに来るって言ったんだな?もう少し待ってみるか?」


15時を過ぎても来ない

「迎えに行く」と言った日はいつも15時迄には来るのに…


「16時まで待って来なかったら帰るね」



飲食店は遅くまで開いてるけど市場は17時を回ると閉める準備をする

野菜とか果物はちゃんと見ないと時々傷んでたりするからギリギリに買い物は行きたくはなかった

16時まで待ったけど1人で帰る事にした


新たな依頼品を背負いジルに「またね」と手を振る 相変わらずジルは恥ずかしそうに小さく手を上げた









市場で玉子と生野菜を買って紙袋を両手で持つ

少し先の果物屋のワゴンからリンゴ甘い香がして私の鼻をくすぐる

リンゴの香りが強いのは近所では見かけないゴロツキがワゴンを蹴飛ばしリンゴが落ちて傷が付いたから


「嬢ちゃん安くするから買ってくれよ」

果物屋のおじさんに言われて少しだけ値切って5個買った

明日はアップルパイでも焼いてリヴァイと紅茶をゆっくり飲もうかな…

バターと少量の砂糖も買い足した


今では市場から家までの回廊のような細い路地や抜け道も迷わずに歩く事ができた


細い路地に入った時にリヴァイの声が聞こえた 低く響く声はかなりキレている

もしかして…ケンカとかしてる?



心配で路地の先に進むと 4、5人が血を流し倒れていて馬乗りになったリヴァイが最後の1人にナイフを突き付けていた



「リヴァイ!」



返り血を浴びていたリヴァイの顔が私にむいて 小さく目を開き驚いた顔をしたけど男の拘束は解いていない



「お前は他の道から帰れ… 」


リヴァイの視線が男に戻る


「殺すの?」


「あぁ…殺さないと また 襲われるからな 殺せば 敵は確実に減る」



それがリヴァイのルールだった そうやって10年リヴァイは生き抜いてきた



「分かった…先に帰るね」



声が震えた 指先も冷たくなるし 耳の後ろがぞわぞわする

足も震えてもつれそうになるのを どうにか踏ん張り階段をゆっくり登りその先を曲がり家へと帰った


















しばらくして無言で帰ってきたリヴァイはそのまま浴室に行く


結構な返り血を浴びてたから長くなるかな…


私はキッチンに立ち夕食の準備を始めた


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