第3章 からだと心
だから窮屈でもリヴァイを男性として意識するようになっても一緒に寝たかった
リヴァイにしたら自分よりでかい女が横に寝てたら たしかに窮屈だよなぁと思う…そもそもベッドは1人用だしね
自分のベッドを買った結果 寝室は1つしか無いからベッドを2台並べて寝てる
だからリヴァイの気配を感じながら寝れるし 悪夢を見て起きたらリヴァイは傍にきてくれる 今の距離が私にはちょうどいい
一緒に暮らし始めてから5年たち
リヴァイは20歳になり私は15歳(中身は23歳)になった
20歳になった彼は少しハスキーな低音の声になり 顔は童顔ではあるけど目付きの鋭さが増して冷たい印象を与える顔になった その原因は彼の仕事のせいだとは思う…
彼の仕事は大人になるにつれて闇深さは増している リヴァイのように子供の時から大人に助けられずに生きて行くには地下街は過酷で 彼にはその方法しか無かったんだと 5年一緒に暮らしてそれは理解できた
なるべく私には自分の闇を見せないようにしてくれている
それでも血の臭いが消えないままに帰る日も何度もあったし 本人が怪我で血塗れで帰ってくる事もあった
「仕方がないからカナコの面倒をみてやる」
あの日…水溜まりから飛び出した得体の知れない私の手を繋いでくれた優しいリヴァイを私は信じている
生きる為に足掻く彼が闇に飲み込まれ過ぎないように 私はリヴァイの傍に居たい
「元の世界に戻りたい」そんな気持ちはいつの間にか小さくなっていた