第3章 からだと心
地下街のいい所は雨が降らないから天気に関係なく洗濯ができる
ただ太陽の光を浴びてパリパリに乾いたシーツやバスタオルとか懐かしいなぁ…
私は柔軟剤でふわふわのタオルよりパリパリのタオルが好きだ!
タライにシーツを入れて 壁内にもあって感動した洗濯板でゴシゴシと洗いすすぐ
すすぎが終わるとリヴァイを呼んで2人で両端を持ち捻って搾るそれから屋上に干す
通気孔からの微かな風では洗濯物ははためく事はない ただ気温が一定しているから大体まる1日あれば乾いた
当たり前のようにリヴァイは大きな洗濯籠を持って階段を降りていく
それが私は嬉しかった
私は元の世界と同じように13歳の頃からすくすくと育ち15歳で175cmになった
中学の時は回りの男の子達より背が高かったから女の子扱いをあまりされた事が無くて 私より背の低いリヴァイが当たり前に荷物を持ってくれたりするだけで嬉しいのだ
リヴァイの身長は160cmくらいで私は彼のつむじが見れる
「本当にでかくなりやがって…」
リヴァイの身長を抜いた頃に眉間にシワを寄せて言われた
「初めて逢った時に言ったよ 私は175cmあったって 私もこれ以上は伸びてほしくないよ」
180cmになったらどうしよう…あの頃と同じで今の私も自分の成長に悩んでいる
成長とともに変わったのは身長だけではなくて 私の体も女性へと変化していた
リヴァイと身長が同じくらいになり胸が膨らみ お尻に丸みが出始めた頃
「ベッドが窮屈だ!」
とうとうリヴァイから言われて自分用のベッドを買った
元の世界にいてもおばあちゃんと暮らしていた間以外は孤独だった
物心付いたころから両親は不仲だったし 私にも興味なかった いわゆるネグレクトだった
両親はそれぞれに生活費の振込みと誕生日には「おめでとう」の電話をくれる
希薄な関係だけど 私を忘れないでいてくれたから 不安や恐怖は無かった
でもこの世界は違う今の私にはリヴァイしかいない 彼が居なくなると思うだけで不安と恐怖で闇に飲み込まれそうになる
その不安が溜まり溢れると私は悪夢を見て目が覚める
飛び起きる時もあれば 起きて泣き出す時もある
そんな時は必ずリヴァイは背中をさすってくれる 彼の温もりと少し眠そうな声で「大丈夫だ」と言って私を落ち着かせてくれた