第2章 新しい生活
時々リヴァイは格好いい事をさらりと言ってくれる
「守ってやれる…」
まさか年下の男の子に言われるとは…不意打ちすぎて 胸に きゅん どころではなく ズキュン ときたよ…お姉ちゃんドキドキだよ
15歳のリヴァイは成長期のようで 高めの声だったのが少し掠れてきて低くなってきているし 喉仏や手が男性になってきた
正直に言えば私の脳内は18歳だから必然とリヴァイの事を男性として意識してしまう
ただ私の体は10歳の子供なのでリヴァイは私の事を女性としては見てない だから 一緒に寝る事に意識はしてないと思う…
隣で寝てるリヴァイの温もりはこの世界で唯一安心出来る場所だから手離す事も出来ない 本当に18歳の私は厄介だ
身長も少し伸びてるし 長身イケメンになったら どうしよう…
そのうち私も成長するから一緒に寝れなくなる日は必ず来る それまでにベッドを買うお金を貯めよ
その為には刺繍の仕事も頑張らなきゃ!
成長期問題の悩みは先送りにして私も仕事に集中した
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夜空を見せてくれる約束は3ヶ月もたってから実現した
地下街は鍾乳洞の中にある だから季節感はあまりないし気温も一定している
私が夜空を見たいと言った頃はまだ寒い時期だったらしく 仕事を頑張った御褒美とかの話ではなくて普通に無理だったらしい
片道2時間をかけて歩く
少し前を歩くリヴァイの背中には丸めた毛布が 腰には皮で出来た水筒が2つ下がっている
私の大きなショルダーバッグの中には蒸かしたイモとゆで玉子と林檎が入っている
「大丈夫か?」
時々そう言って振り返ってくれる彼に私は変装の為に深くかぶったフードを持ち上げて大丈夫と笑う
次第に建物もまばらになって岩ばかりになった所で休憩をかねて リヴァイが小さなランプに火を着けた
「歩き難かっただろ ここからは誰も居ねぇからフードも眼鏡も外していいぞ」
「うん…」
言われるままに外すと 視界が開けて格段に歩きやすくなる
水分補給をするリヴァイの喉仏は水を飲み込むたびに上下に動き この3ヶ月でどんどんと男性になっていた